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管理人の個人的考えのコラムです。
医学的根拠も何もありません。

痩せという鎧を着たかった私


よく、「なんでそんなに太るのが怖いの?」「どうしてそんなに痩せたいの?」そんなことを言われました。
皆さんも、言われたことはありませんか?皆さんなら、何と答えていましたか??

私は、こう答えました。

「人から見下されたくないから。対等な関係になりたかったから。」
「私は痩せていないと価値が無いから。」

この考え方は、摂食障害独特の考え方ですよね。

痩せていないから、太っているからと言って、見下されるわけではありませんし、対等な関係が築けないわけではありません。
(ただ、世の中には人を外見だけで判断してしまう人がいることは否定できませんが。)
実は、白状してしまうと、私自身が一番太ってる人を見下していたのではないかと思うのです。
「人が太ってるのは別にどうも思わない」なんて口では言いながら、本当は私自身、すごく人を見た目で判断していたような気がします。
太った人を見ては、「私はあんな風になりたくない」と思っていました。
自分が一番、自分にも厳しかったし、他人にも厳しかったのだと思います。
(でも、それもだんだん摂食障害の回復と共に、人には個性があって、体重よりもっと大事なことがあるということには気付けるようになってきました。)

 空っぽで価値の無い私という思い込み

私は、自分が空っぽの人間だと思っていました。
人に提供できるような楽しい話題もない。
自慢できるような話もない。
何かができるわけでもない。
とにかく人に話せるようなことを何一つ持っていない、価値のない人間だと思っていました。
人よりかなり劣っていると思っていました。

だから、人と接するときは、いつも相手に対して引け目を感じて、びくびくしていました。
私はこの人と今対等ではない。
こんな私と、話してもらっているんだ。
なんて優しい人なんだ。
機嫌を損ねないようにしよう。
嫌われないようにしよう。
そういう感じで、常に怯えながら接していました。
価値のない本当の自分に気づかれるのが怖くて怖くてたまりませんでした。

 だから、「痩せ」という鎧を着たいと思っていた

今の日本の社会では、大抵の場合「太っている」より「痩せている」ほうが良いとされている風潮があります。
私は、その価値観に安易にすがってしまったのです。
それを、一つの武器として持ちたいと思ったのです。

中身は空っぽかもしれないけど、
せめて痩せていたら、人から見下されることはないかもしれない。
せめて痩せていたら、人は気持ちよく私と話をしてくれるかもしれない。
せめて痩せていたら、一目おいてもらえるかもしれない。
せめて痩せていたら…。

自分を、生きる価値がないと思うほど卑下していた私にとっては、世の中の人はすべて怖くて怯える対象でした。
毎日が不安で、心配なことばかりでした。
そんな私を守ってくれるのが、唯一「痩せ」という鎧のように感じたのです。

痩せることは、自分一人の個人的な頑張りだけでなんとかコントロールできることです。
誰かの協力も必要なく、たった一人で手に入れることができます。
だから、私もそこにすがってしまったのです。

痩せに固執せざるを得ないほど、毎日が不安で、自分に自信がなかったのです。
「痩せ」がなければ、人の目を見て話せないほどに、自分の価値を信じられなかったのです。

 「痩せ」という鎧の効果

自分の努力の結果、「痩せ」という鎧を着ている間は、いきいきと過ごすことができました。
人にも自分から話しかけることができました。
様々なことに積極的に取り組むことができました。

しかし、過食をしてしまったり、生活のリズムが守れずに体重が少しでも増えてしまうと、その鎧の効力はたちどころに弱まってしまいます。
1キロでも体重が増えると、まるでボロボロになった鎧を着て戦いに出かけた兵士のような、頼りなくて不安でいっぱいの気持ちになってしまいます。
人と接するときも、不安で不安で仕方ありません。
いつ、人から「ダメな自分」を見抜かれてしまうか、最低な評価を下されてしまうか、怖くて落ち着かない気持ちになります。
そして、痩せる努力に精を出すことになります。
鎧を着なきゃ!頑丈な鎧を着なきゃ、私は何もできない!

私にとっての「痩せ」は、自分にしか効力のない、鎧のような存在だったということです。
誰の目にも見えない、そんな強い力を持っているはずもない、ちっぽけな鎧でした。

その上、この「痩せ」という鎧に頼る私は、自分の手で悪循環を生みだしていたのです。

その悪循環については、また次回。

あなたにとっての「痩せる」「太らない」というのは、どういう意味を持つのでしょうか?
痩せたら何を得るような気がしますか?
太ったら、何を失うような気がしますか??

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