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摂食障害の患者さんには、しばしば「退行」(子供・幼児返り)現象が見られます。
退行する心を受け止め、親子関係(特に母子関係)をもう一度構築しなおし、育てなおす治療法が「再養育療法」です。
摂食障害の患者さんの多くが親の愛(特に母親の愛)を強く求めています。
ですが、自分自身がそう思っているということを患者さん本人も分かっていなかったり、心の中では分かっていても、それをうまく言葉にできず、心とは裏腹にひどい態度をとってしまう場合もあります。
再養育療法では、患者さん本人が自分の心を見つめてそれをきちんと親に伝えられるよう訓練をします。
母親はそれを受け止め、もう一度患者さんを子供の頃から再び育てなおすというような作業をします。
具体的には、食事等の世話をしたり、添い寝や抱っこをし、手をつないだりします。
十分な時間をとって母子が話す機会を設けます。
母親は、そのような行為を通じて、患者さんのことを大事にしている、愛しているということを十分に伝え、そして患者さんが思っていることを理解するよう努めます。
ただ子供のように単純にかわいがるだけではなく、徐々に「育てる」ということが大事です。
再養育療法の初期は、親がびっくりするほど患者さんは赤ちゃんのように振舞うことがあるようですが、これは、もう一度生まれ変わり、やり直すチャンスだと考えられています。
患者さんは、今まで受けたかった愛情を受けなおし、そしてもう一度自我を構築しなおしていきます。
再養育療法では、退行の途中で患者さんがわがままで傍若無人に振舞ったり、今までの不満や葛藤、対立が表面化したりして、本人も辛いですが、母親も大変な思いをすることがあります。
ですがそれを受け止め、乗り越えることで子供は成長し、再び実年齢と同じ精神年齢までたどり着きます。
患者さんは、一度親に甘えることに慣れてしまうと、そこから脱却するときは葛藤が生じ、苦労する場合があります。
ですが、再養育療法によって十分な愛情を受け、きちんと順を追って育てなおしていけば、本人にも自我が育ち、自信も持てるようになり、自然と「自立したい」という想いが芽生えるもののようです。
この治療法には賛否両論があるようです。
この治療法では、摂食障害が治るまでの期間を無駄に長くしてしまう可能性もあると指摘されています。

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