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行動療法(行動制限療法)は、主に拒食症患者さんに用いられることが多い治療法です。
この治療法を簡単に言うと、食事の量と行動範囲を一定の範囲内に制限する治療プログラムのことです。
拒食症患者さんは、太る(=標準体重になる)ことを嫌がって食事を拒否したり、たとえ拒食症を治したいと思っていてもなかなか食べられない精神状態になっています。
また、痩せがひどく進んでいて、栄養不足による無気力感があったり判断力が低下しているときは、まずはどうにかして体重を少しでも回復する必要があります。
このような状況では、他人の強制的な力を借りて、間違った思い込みを正したり、食べる訓練をする必要があります。
そのような際に行われるのが行動療法(行動制限療法)です。
行動療法を具体的に言うと、まずは食事は少ない量(1日に800cal〜1200cal)を三食に分けてきちんとすべて食べられるように練習します。
このとき、行動範囲は制限されています。
ベッドの上で読書をしたり短時間病室から出れる程度で、運動などは一切できません。
テレビや面会、外部との連絡等も禁止されます。
そして、決められた量の食事をきちんと食べられるようになったり、体重が一応の目標まで増えたら、食事の量も少し増え(200cal程度)、行動範囲も広げられます。
そして、また次の目標の食事量や体重がクリアできたら、さらに行動範囲は広げられていきます。
このように、決められた食事量をきちんと全て食べることや、体重がある一定の数字まで増えることを条件に、行動範囲をだんだんと広げていけるようになっています。
いわば「アメとムチ」のような治療プログラムです。
この治療法は強制力と、きちんとしたサポート体制が必要な治療法ですので、主に入院治療として行われます。
行動制限は、始めは大変辛いものがあります。
好きなテレビも見られないし、家族や友人と電話で話すことも面会することもできません。
患者さんは始め、厳しい行動制限をしぶしぶ受け入れることになります。
ですが、目標の食事量と体重をクリアしていけば、最終的には外出・外泊なども許可され、病院内でも日常生活と同じくらい自由に行動できるようになりますので、そのためにも頑張ろうと思い、食事を食べます。
ただ、食べ物を隠して食べたふりをしたり、隠れて嘔吐したりした場合は、行動制限が厳しくなります。
この場合は、患者さんが強く反発し問題行動を起こす場合もあるのが問題です。
行動を制限するのには、いくつか理由があります。
まず、行動範囲を狭めることで、1日の消費カロリーを減らし、少しでも体重を回復させるためです。
外部との連絡が制限されるのは、自分自身と向かい合い、治療に専念するためです。
また、行動範囲を広げて「〜がしたい」という動機ができることで、食事に対する恐怖心や抵抗感を少しでも減らすためでもあります。
ひとつひとつの目標を達成し、自分の行動範囲も目に見えて広がっていくことで、達成感を得られます。
この治療によって、体重が徐々に回復し、自分の口から食べ物を摂取し栄養が体に入ってくることで、気分的に明るくなり悲観的だった物事の捉え方も改善されていきます。
治療のプログラムが最終段階まで来ると、その頃には正しい食事が以前より身につき、目標を達成してきたことで自信も付きます。
しかし一方で、行動療法(行動制限療法)が効果が無い場合もあります
しぶしぶ厳しい行動制限を受け入れ、表面上はきちんとプログラムを消化していっているように見えても、摂食障害の原因となった心の問題を放置していては、体重は回復しても、入院を終えて家に帰れば、結局元に戻って激しい食事制限をしてしまったり、逆に過食症へ移行してしま場合もあります。
一旦は治療に納得して行動療法を始めても、行動制限に絶えられず、途中で投げ出してしまったり、問題行動を起こして続けられなくなる場合もあります。
行動療法(行動制限療法)は、体重を強制的に回復させ、食行動を訓練するという意味合いがありますので、この治療だけでは摂食障害の裏に潜む心の問題はなかなか改善され場合もあるようです。
ですから、この治療法で「食行動」という表面的なものだけにとらわれていては、結局このように効果がでない患者さんもでてきます。
といっても、この治療法にまったく効果が無いわけではなく、改善されない人もいれば、一方では良くなった方ももちろん多数いらっしゃいます。
多くの病院では、行動療法(行動制限療法)と共に、しっかりとした精神的ケア、サポートを行っています。
何より患者さん本人が始めはしぶしぶ治療に同意したとしても、治療の過程で前向きに治療に取り組み、自分自身としっかり向き合えば、きっと症状は改善されていくと思います。

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